むかしあるところに、“おくめ”という女の子がいました。
おくめは母親と2人暮らし。
とても貧しく、家の中には小さないろりと、
粗末なうつわくらいしかありません。
しかし、お母さんはいつも、
工夫をこらしたおいしいご飯を作ってくれました。
「お母さんのご飯を食べると、なんだか体がぽかぽかしてくるよ。」
そう言って目をかがやかせるおくめに、
お母さんは優しくほほえみかけます。
貧しくても2人は幸せでした。